こちらの記事では、
- 高齢者の見守りを、あえてお風呂や浴室でする6つの重要性
- 高齢者の入浴を見守る、おすすめの方法
についてご紹介します。
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目次
高齢者の入浴・浴室の見守りをする6つの重要性
プライバシーの問題が起きやすいお風呂の入浴の見守りですが、浴室だからこそ見守ることが大事な理由がいくつかあります。
①濡れている場所はとてもすべり、転倒の危険性が高くなる
高齢者のお風呂の際、見守りしてくれる人(家族・介護サービスなど)が居ないと、大きな事故に繋がる可能性があります。
例えばお風呂の時の多い事故として「浴室での転倒」がありますが、原因としては、濡れている床はとても滑るということです。
また裸足なので滑った時にこけないように踏ん張ることが難しく、そのまま転倒し骨折などの大きなケガに繋がってしまいます。
高齢者の方は、足腰の弱い方や膝や腰に痛みを抱えている方も多いので、入浴の際は見守りしてくれる人がいればとても安心です。
②急激な血圧の変化で命の危険性もある
お年寄りの方が入浴する際(特に冬に多い)、冷えた身体の状態から暖かいお風呂に入ると、血圧が急に下がってしまい心臓にとても負担がかかります。
また反対も同様で、お風呂で温まった状態から寒い脱衣所に出ることによって、血圧が急に上昇します。
血圧の急激な変化は若い方ならそこまで心配する必要はないですが、高齢者は若い方に比べて心臓や血管が弱っている方も多いので、とても危険です。
場合によっては心筋梗塞や脳出血をおこしてしまう命の危険性もあり、高齢者の入浴の際は特に見守りが重要です。
③浴槽で溺れてしまう危険がある
ご老人の方は、浴槽のお湯の量程度でも、時には溺れてしまうこともあります。
これは先にも述べたように、冷えた身体から暖かいお湯に浸かる際、急激な血圧の変化で意識を失ってしまう場合があるからです。
また浴槽に浸かりながらそのまま居眠りをしてしまい、溺れてしまうケースもあります。
そのような時、少しのお湯の量でも急なトラブルに襲われるとパニックになってしまい、また足腰の力がなく、とっさに身体をあげることが出来ず溺れてしまいます。
④何かあったときに、すぐに助けを呼ぶことが出来ない
お風呂場はリビングルームなど生活のスペースから少し離れた場所にあることが多く、もし転倒した時や、急に気分が悪くなった時、同居している家族がいたとしてもすぐに助けを呼ぶことが難しいです。
一人暮らしの高齢者であればなおさら、携帯電話を脱衣場まで持っていく習慣のない方も多いでしょうし、固定電話の場所まで簡単に行くことも出来ないので、お風呂の際の見守りはとても重要です。
⑤浴室は支えとなる手すりなどがない
家の中で移動する際、壁をつたったり、テーブルを支えに歩いたりして生活をしている足腰の弱い高齢者の方も多いのではないでしょうか。
お風呂場の床は濡れていてとても滑り、靴もはいていないので、踏ん張ることができません。
なので、入浴の際は特に手すりなど支えになるものが必要です。
しかし既存の浴室は、手すりなどは設置されていないことが多いです。
普段は介助がなくても生活できる高齢者の方でも、お風呂の際は、特に気をつける必要があり、立ち上がる際や、浴槽につかる時は見守りしてくれる人が居てくれると安心です。
⑥声が届きにくい
お風呂場は一人の空間になってしまい、同居している家族がいても離れた部屋に居たり生活雑音があり、お風呂場の音は中々聞こえません。
反対も同様で、お風呂場の中もシャワーの音などで人の声は聞こえにくい状況になっています。
そのような時、お年寄りの方がお一人で入浴されていると、例えば意識を失った際や転倒してしまった時の音に気づいてあげることが出来ず、見守る側がすぐに対応出来ない場合があります。
お一人で入浴することが出来る高齢者であっても、適宜声をかけてあげ、都度見守ってくれる方が居れば安心して入浴することが出来ます。
高齢者のお風呂を見守る、4つの方法
具体的な浴室の見守り商品やサービスについてご紹介する前に、そもそもお風呂を見守る方法として、どのようなジャンルがあるのかについてご紹介します。
結論から言ってしまうと、
- 浴室内のマイクを通して、外部と会話できるタイプ
- お風呂の電気の長時間の点灯を察知し、見守り側が異常に気づくタイプ(センサータイプ)
- 浴室内の緊急通報ボタンを押して、外部に異常を伝えるタイプ
- 見守りカメラ
です。
このように4つのタイプがあるのですが、実はこの中で
- どのような状態でも異常に気づけ
- また、早急に対処できる
のが唯一、見守りカメラです。
と言うのも「浴室内のマイクを通して、外部と会話できるタイプ」と「浴室内の緊急通報ボタンを押して、外部に異常を伝えるタイプ」は高齢者側から異常を伝えるものですが、仮に浴室内で発作を起こしてしまうと、声を出す間もボタンを押す余裕もありません。
その結果、高齢者の異常に気づけない場合があります。
また「お風呂の電気の長時間の点灯を察知し、見守り側が異常に気づくタイプ」という浴室の見守りセンサータイプも、”長時間お風呂の電気がついていることで異常に気付ける”わけですから、気づいた時にはもう遅い可能性が高いです。
そう考えると、見守りカメラだけが唯一、見守る側から積極的に高齢者の安否確認・生存確認が出来る商品なのです。
プライバシーを考慮した、見守りカメラで浴室を見守る方法
とはいっても、見守りカメラはプライバシーが気になるところ。
しかし設置の仕方や特定の見守りカメラ次第では、高齢者の理解が得られる可能性は十分にあります。
そこでオススメなのが、お風呂に入る前のドアに向けて見守りカメラを設置することです。
例えば更衣室の一つ手前のドアに向けて見守りカメラを設置していれば、直接は脱衣の様子を写す事もありませんし、見守りカメラの中には「特定のドアを開け閉めした時に通知が来る」と、予め検知する動きを設定することが出来るカメラもあります(具体的には、この見守りカメラ)。
この通知を確認することで、
- 「今日も元気にお風呂に入っているな」と思えたり
- 「(お風呂から出たことを知らせる)2回目の通知がしばらく来ないけど、大丈夫かな?」と察したり
することが出来ます。
見守りカメラの「会話機能」「検知機能」で、即座に異常に気付ける
もしもの時があった際も、見守りカメラには会話機能があるので、声が届く範囲であれば「大丈夫?」と気軽に聞くことが出来ます。
マイクは常につながっているので、もし高齢者がその場で動けなくなっている場合でも、「助けてほしい…」「ころんじゃった…」など声さえ出すことが出来れば、見守る側も異常に気付くことが出来ます。
また見守りカメラには、高齢者が転倒した際に検知し、通知してくれる機能もあります。
これなら更衣室などで転んでしまった場合にも、即座に気づくことが出来ますよね。
中には、モザイクを掛けられる見守りカメラも
また高齢者向けの見守りカメラの中には、カメラ内の特定の場所にモザイクを掛けられるものもあります(具体的には、この見守りカメラ)。
もし高齢者側がプライバシーを気にする場合は、こういったカメラを使うのも一つの手でしょう。
いずれにせよ高齢者の様子を直接見られるのは、見守りカメラだけ。
なかなか同意してくれる高齢者ばかりではないかもしれませんが、もしもの時に一番救える可能性は高くなるかと思いますので、ぜひ一度相談してみてください。
※関連記事
高齢者向け見守りカメラのよくある質問(機能、費用、使い方など)
高齢者宅にWiFiがなくても見守りカメラを使う方法は?(他よくある質問)
【おすすめ】高齢者向け見守りカメラランキングTOP3【介護】
↓【記事の途中ですが、見守り方法に迷ったらこの記事がおすすめ】↓
高齢者の入浴・浴室におすすめの見守りシステム・センサー3選
それではここからは、高齢者のお風呂の見守りが出来るセンサーやシステムについて3つ、ご紹介します。
1.NORITZ「無線LAN対応高機能リモコン」
- https://www.noritz.co.jp/product/kyutou_bath/remocon/remocon_gw.html
入浴関連機器の開発を行うノーリツが手がける、見守り機能付きの浴室リモコンです。
入浴中に死亡する高齢者の原因はヒートショック(一連の入浴動作で血圧が急上昇・降下することで起こる病因)が多く、同居家族がいても発見が遅れて死に至ることがあるという点を考慮した浴室リモコンです。
専用のアプリで外出先からも見守りができることで、遠方に住んでいる家族も安心できます。
ノーリツの見守り機能
入浴時の血圧変動によるヒートショックを防止するための表示と、通話で安全を確認する機能があります。
- 浴室内のリモコンを介して通話をすることで、浴室内での状態を確認
- 浴室の温度の低下を知らせる表示
- 浴室に入室したことを通知する表示
- 浴槽に浸かったことを通知する表示
- 浴槽を出たことを通知する表示
- 浴室を退室したことを通知する表示
専用アプリを使用して、リビングや外出先からも入浴の状況を把握できます。
無線LAN対応高機能リモコンの使い方
浴室と台所に設置したリモコンボタンを操作します。
見守りに特化した使用方法としては、通話ボタンを押すと浴室内外で会話ができることです。
リモコンに表示される通知から、浴室・脱衣所を温める対応や浴槽や浴室での滞在時間が通常より長くなっていないか確認できます。
専用の「わかすアプリ」を使用すれば、離れて暮らす家族のお湯の使用量や浴室温度、お湯や浴室暖房の使用が表示されます。
見守りサービスの対象となる高齢者
独居または同居家族がいる高齢者で、入浴の動作が自立している方が対象です。
訪問の入浴サービスを受けている方でも、「自分の好きな時間に入りたい」と入浴サービス以外の時間で頻繁に入浴をしてしまうような方も対象でしょう。
ノーリツの見守り機能が向いていない高齢者
この見守り機能は、1人で入浴する機会が多い方の浴槽や浴室での危険を予防、安全を確認するためのものです。
そのため、1人で入浴する機会が極端に少ない方への使用は妥当ではないでしょう。
例として、入浴における一連の動作で介助が必要な方や介護保険の入浴サービスを自宅で受けている方、認知症があり入浴への拒否が強い方が挙げられます。
また費用が高額で介護保険の適応ではないため、金銭面的に出費が難しい方は対象となりにくいです。
NORITZ「無線LAN対応高機能リモコン」の費用・料金
事前に、リモコンが給湯器に対応しているか確認が必要です。
無線LANでのインターネット接続が必要です。
【ガス給湯器機専用】
RC -G001PEW2マルチセット(インターホン付)60.280円(税込)
【ハイブリッド給湯システム専用】
RC -G057PEW―2マルチセット(インターホン付)60.280円(税込)
リモコンのみの販売のため、工事費用などは工事業者への確認が必要です。
ノーリツの見守りのデメリット・注意点
ノーリツはリモコン販売業者であって、工事や取り付けには関わりません。
リモコンが現在使用している給湯器に対応しているのか、見積もりや工事日程まで多くの段階を踏む必要があります。
高性能な商品ですが、購入から設置までは多くの時間と労力が必要な点はデメリットです。
2.goo of thingsでんきゅう
自宅内のどこの電球でも付け替え可能な見守りサービスで、浴室内の電球を「goo of thing でんきゅう」へ付け替えるだけで見守りができます。
アプリを利用して電球の点灯/消灯で異常を検知するもので、同居のご家族だけでなく、遠方に住んでいるご家族への通知も可能です。
見守り機能
浴室または脱衣所の電球の点灯/消灯の記録をアプリでご家族が確認する仕組みです。
電気が点灯したままの場合や電気が長時間利用されていない場合に、「24時間以上消灯」「長時間付けっぱなし」の表示がアプリに通知されます。
goo of thingsでんきゅうの使い方
見守られる側は、特に何もする必要はありません。
見守る側のご家族は、アプリに通知される「24時間以上消灯」「長時間付けっぱなし」の表示を参考に対応をとります。
おすすめの高齢者
定期的に入浴をする習慣がある方が対象です。
入浴の方法は特に問わず、介護保険を利用した入浴サービスや自立された入浴のどちらでも問題ありません。
オススメではない高齢者
自宅で定期的に入浴する習慣がない方は対象ではありません。
毎日入浴する必要はありませんが、見守る側は、定期的に入浴していることを電器の使用頻度や入浴の頻度から確認します。
デイサービスで入浴をしている方やご病気により入浴する習慣がない方は対象ではないでしょう。
認知症による物忘れや日時の感覚がわからなくなる症状がある方は、電器スイッチの点灯/消灯を正確に行えないことが予測されるため、使用が難しいでしょう。
goo of thingsでんきゅうを使い始めるまでの流れ(初期設定)
インターネット回線は必要なく、浴室または脱衣所の電球を「goo of thing でんきゅう」に付け替えるだけです。
専用アプリ「goo of thing」をダウンロードし、電球を登録することで、複数人での見守りができます。
goo of thingsでんきゅうの価格・料金
購入価格:3.280円(税込)
月額利用料:電球1個につき638円/月(税込)※初月無料
goo of thingsでんきゅうのデメリット・注意点
異常時の対応の遅れがデメリットとなるでしょう。
専用アプリ「goo of thing」は、点灯/消灯を定期的に通知する仕組みです。
異常を検知するためには、入浴頻度や時間を把握し、予測する必要があります。
3.朝日電器「ワイヤレスチャイム(押しボタン・受信機セット)」
配線器具や防犯用品などを開発する朝日電器が手がける、浴室に設置するブザータイプの見守りグッズです。
ブザータイプの見守りグッズは通常、防水加工がしておらず、浴室での使用ができないものが多いです。
朝日電器の「ワイヤレスチャム」は、電池不使用・防水加工がしてある入浴場面に特化したブザーです。
見守り機能
緊急時に浴室内に設置したボタンを押すことで、受信機近くの家族へ異常を知らせます。
ワイヤレスチャイムの使い方
緊急時に浴室内に設置したボタンを押します。
ボタンを押すと、受信機からあらかじめ設定したチャイム音(音色または音声)が流れることで異常を通知します。
おすすめの高齢者
同居家族がいる高齢者で入浴の動作が自立している方が対象です。
緊急時にボタンを押す必要があるため、ボタンについて理解する必要があります。
ボタンの電波は、約90メートルという記載があるため、同じ敷地内に家族が住んでいる場合は適応となるでしょう。
おすすめできない高齢者
独居で同居家族がいない方やボタンを押すことを理解できない方は対象ではないでしょう。
ボタンには、電波の到達距離があるため、独居の方や離れた場所に家族が住んでいる方は対象ではありません。
認知症やその他のご病気で、ボタンの仕組みの理解が難しい方は対象ではありません。
ボタンを押す場合は、通常の健康状態を把握していることやボタンを押すタイミングを理解し、行動する必要があります。
ボタンを適切な場面で押すことができないことが予測される場合は対象として難しいでしょう。
朝日電器「ワイヤレスチャイム」を使い始めるまでの流れ(初期設定)
インターネット回線の必要はなく、受信機はコンセントに差し込むだけで使用できます。
送信機であるボタンは、浴室内の手が届きやすい場所に付属のシールで装着するのみです。
送信機はボタンを押す動作で発電するため、電池交換は必要ありません。
朝日電器「ワイヤレスチャイム」の費用・値段
4,720円(税込)
朝日電器「ワイヤレスチャイム」のデメリット・注意点
見守られる側に一任した操作にデメリットがあるでしょう。
緊急時にボタンを押す余裕がない場合は、緊急を知らせることすらできません。
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