高齢者の見守りをする際に、手持ちの機器で何とか見守りできないかと考えた際に思いつくのが、iPhoneやandroidなどのスマートフォンを2台使い、テレビ電話のような方法で見守りをする方法です。
例えばスマホが2台完全に余っている場合は、常にテレビ電話状態にして見守ることが出来ます。
また元々、見守る側と見守られる側でスマートフォンを利用している場合は、双方に専用のアプリを入れて必要な際に見守るという方法があります。
確かに「スマホ2台で高齢者の見守りをする方法」でも理論上は見守り可能なのですが、機能面で劣る点はもちろん、コスト面でもかえって高くなることがほとんどなんです。
その辺りを、今回はお伝えします。
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目次
スマホ2台で高齢者を見守る方法の5つのデメリット
やはりスマートフォンは見守り専用機器ではないため、いくつかのデメリットがあります。
1.見守られる側にWifiの環境が必要で、用意できない場合は通信料が高額になる
高齢者専用の見守りカメラではないスマートフォンは、高齢者に特別な動きがあった際だけ撮影を監視するような”検知機能”はありません。
そのため基本的には24時間通信していないと見守りの意味がほとんどなくなってしまうわけですが、一般的に1日動画を視聴し続けると10GB消費すると言われておりますので、1か月で約300GBほどデータ通信量を使う計算になります。
そもそも月に300GBも使わせてくれる携帯のプランを私は見たことがありませんが、例えばこの記事を書いている時点でエキサイトモバイルという所が、月のデータ通信量が50GBで11,198円(税込)というプランを用意されています(調べる限り容量最大の契約プラン)。
このプラン通りですと、simの通信料だけで月々7万円弱のお金がかかるわけで…この時点で高齢者宅でネットを開通しない限り、いくらスマホが2台あったとしても見守りは難しくなります。
(simのプランによっては一定の容量を超えると回線速度を抑える代わりに定額のプランの物もありますが、画質がとんでもなく悪くなったり遅延が発生するため、見守りには向きません)
もちろん予め高齢者宅でもネットが開通していたり、仮に未開通でも見守りのために月々5,000円ほどのインターネット代がかかることを気にしない場合は問題ありません。
ただし最近では
- 高齢者宅にwifi環境が無く、スマホも持っていなくても
- 届いた見守りカメラをコンセントに挿すだけでネットにつながるようになり
- 検知機能や録画機能のおかげで、少ないデータ通信量でも24時間の見守りができる
というものもあります。
高齢者宅にWiFiがなくても見守りカメラを使う方法は?(他よくある質問)
もし高齢者宅にインターネット環境が無いのであれば、こういったものを利用した方がかえってコスト面は安くつきます。
2.常に通信状態・充電状態にあるため、バッテリーが熱を持ちやすく危ない
見守りカメラとして携帯を利用する場合、当然ですが常に部屋の状態を把握する必要があるため、基本的には常にカメラを起動し続けることになります(充電して設置…を繰り返すような使い方はしません)。
そのため常に充電状態で設置するわけですが、テレビ電話状態×充電中というのはスマホ本体が大変熱を持ちやすく、機種によっては発火の恐れすら考えられるため、大変危険です。
(ちなみにスマホの充電の電気代に関しては、例えばiPhone7を1日8回充電したところで月の電気代は50円程度なので、そこまで気にする必要はないかと思います)
3.アプリを利用する場合は広告が表示される
見守りの際にアプリを利用する場合、基本的にアプリは無料のため広告が表示されるケースがほとんどです。
そのため、見守る側では「急いで映像を確認したいときでも、広告が表示され非常に面倒」というデメリットがあります。
特に30秒間必ず見なければならない広告などは、高齢者が万が一の際には間に合わない可能性も出てくるため、大きなデメリットになります。
また見守られる側の高齢者に関しても、広告が表示されると
- 広告をどうやって消せばいいのかわからない
- 広告を消すつもりが、タップを間違えて変なサイトに飛んでしまった
など、余計なトラブルに発展する可能性もあります。
特に変なサイトに飛んでしまった場合は、見守る側が高齢者宅まで出向いて再設定をする必要がある場合もありますので、非常に手間がかかります。
4.部屋全体が映るように設置するのが難しい
例えば見守りカメラの場合、もともと撮影できる角度(範囲)が広かったり、天井に簡単に設置できる等、見守り専用だけあって様々な工夫がされています。
一方でスマートフォンは基本的に設置を想定しておらず、そもそも水平に設置することが難しいです。
5.高齢者の見守り機能として十分ではない
これはある種当たり前の話なのですが、スマートフォンは当然ながら高齢者の見守り専用に作られているものではありません。
そのため、高齢者向け見守りカメラの機能として多い
- 転倒した際、冷蔵庫を開けた際、ドアを開けて外に行った際だけに反応する、検知機能
- 夜間でもライトをつけずに高齢者を見守れる、暗視機能
などといった、見守りをする上では重要な機能面が備わっていない事がほとんどです。
もちろん、まだまだこういった機能が必要でない状態の高齢者であれば、ただ見守ることが出来るだけのスマートフォンだけでも良いかもしれません。
ただし命にかかわる問題ですし、後で後悔しても元には戻りません。
見守りカメラの中には安価なものもありますから、専用のカメラを使って後悔することは無いはずです。
安価な見守りカメラについては、以下の記事をお読みください。
↓
価格・月額費用の安い、日本製の高齢者向け見守りカメラ2選【中国製との違いも】