高齢者の見守りを行う際は、
- 滞在時間の長くなる居間(リビング)
- 徘徊を防げる玄関
- 夜間が心配な寝室
などに、見守りサービスやグッズを設置することが多いです。
ただし、一般的には高齢者側も見守られるのを嫌がる傾向にある「浴室」と「トイレ」もまた、見守りが重要な場所です。
今回は、トイレでの高齢者の見守りについてご紹介します。
(浴室の見守りについては、以下の記事をお読みください)
高齢者のお風呂・浴室むけ見守りセンサー・カメラ4選【おすすめ】
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目次
高齢者をトイレで見守る、二つの方法
基本的に自宅で高齢者を見守る際は、見守りカメラもしくはセンサータイプで見守ることになります。
センサータイプとは、例えばトイレで見守る場合、トイレの電気が24時間つかなければ見守り側に通知をするという方法です。
プライバシーが重視されがちな、トイレやお風呂では重宝されています。
しかし、センサータイプにはとても大きなデメリットがあります。
それは、あくまでも1日を通してセンサーに反応がない場合のみ異変に気付くことが出来るので、例えばトイレ、もしくは他の場所で倒れてしまったとしても、見守り側が気づけるのは一日遅れという事です。
その結果、すぐに対処していれば助けられた命を、助けられない可能性もあります。
そのためセンサーによるトイレの見守りは、あくまでも現在元気に一人暮らしをしている高齢者の、安否確認や生存確認として使われるのが主です。
一方で見守りカメラの場合、
- 24時間いつでも見守れる
- 人が倒れた時など、動きを検知すると即座に通知が来る
という特徴があるので、もしもの時に命を救いたい場合は、見守りカメラの方が向いています。
とは言っても、気になるのがプライバシー問題ですよね。
少しでもプライバシーを配慮し、トイレを見守りカメラで見守る2つの方法
一つ目の方法は、見守りカメラをトイレの中ではなく、ドアが映るように外に置く方法です。
これなら高齢者のプライバシーも配慮されますし、見守りカメラの中には”トイレのドアを開けると、その動きが検知されメールが届く”という、予め検知する動きを設定できるものもあります(具体的には、この見守りカメラ)。
このタイプであれば見守り側も24時間見守る必要はないですし、定期的に通知を確認することで「今日も元気に生活しているな」と把握することが出来ます。
もちろん倒れた際にも即座に通知が来るので、即座に対処できます。
そしてもう一つの方法は、モザイクを掛けられる見守りカメラを利用することです(具体的には、この見守りカメラ )。
こちらもトイレのドアが外から映るように設置しても構いませんし、高齢者次第ではトイレ内に設置することも許してもらえるかもしれません。
やはり1分1秒を争うとなるとトイレ内に設置したほうが安心はできるので、相談できるなら相談してみてください。
いずれにせよ即座に対応できるのは見守りカメラなので、もし見守られる側が許してくれるのであれば、ぜひ検討してみてください。
高齢者の見守りで、トイレを見守る5つのメリット
それでは最後に、高齢者をトイレで見守る5つのメリットについてご紹介しますね。
①高齢者のトイレでの異常を早期に発見し、対応することができる。
ベッドと同様に、トイレ周りでの転倒・転落事故は近年増加傾向にあります。
また、トイレでの突然死も少なくありません。
それは浴室同様、冬場の寒暖の差や、力みによる血圧の急変などが原因と見られます。
トイレは、「そこに居る時間の割に、倒れるなどの異常事態が発生する可能性の高い場所」と言われています。
「密室」であるトイレで異変があっても、外部にはわからないまま、手遅れになってしまいがちです。
できるだけ早期に発見し、対応することが求められます。
「センサートイレ」などの見守りサービスを利用すれば、転倒や体の急変などのリスクを減らすことができます。
トイレの見守りサービスには、トイレタンクに置くだけで、遠隔からでもトイレの使用状況を把握できるものや、便座センサーを使ったものなどがあります。
利用するお年寄りや、離れた家族の生活状況に合わせたものを選びましょう。
②トイレの使用状況から、離れた親の生活や健康状況を推察することができる。
トイレの見守りセンサーなどを高齢者が住む家のトイレに設置すれば、その使用状況から、「いつも通りの生活を送っているか」がわかります。
家族と離れて暮らす独居老人の生活リズムを「可視化」することによって、身体機能の低下リスクの有無や健康状況を推察することができます。
トイレの使用頻度が通常よりも多い、または使われていない場合は、アラート通知が送られるものや、トイレに専用のIoT(Internet of Things:モノのインターネット)対応のLED電球を設置し、その電球の点灯時間を記録・分析することで高齢者の生活や健康状況を推察するものもあります。
③「変化」ではなく「変化がないこと」を検知できる。
トイレの使用は、回数に個人差はあるものの、日によって大きなばらつきがなく、「変化がないこと」が生活リズムを知る上でのわかりやすい指標となります。
トイレの見守りサービスを使うことによって、毎日のトイレの使用データから、「変化ではなく、変化がないこと」を検知でき、これをもとに離れたところで暮らすお年寄りの生活リズムの可視化が可能になります。
高齢者の排尿の特徴として、1日の総尿量は減り、総尿回数が増え、1回あたりの尿量が減少していく傾向があります。
また、昼にくらべて夜の尿量が増えるのも高齢者にみられる一般的な傾向です。尿漏れや頻尿などのほとんどは重大な病気ではありませんが、「夜間頻尿」は睡眠不足になるだけでなく、転倒のリスクも大きくなり、QOL(生活の質)を大きく損ないます。
尿の回数が少ない症状に加えてむくみ(浮腫)がある場合には、腎臓に問題がある可能性があるので、尿の回数を知ることは、高齢者の健康状態を推察する指標になります。
さらにトイレ内だけでなく、トイレに通じる生活動線にセンサーを設置すれば、一定時間の動きの有無が確認でき、見守る家族の安心につながります。
④高齢者の見守り活動を効率化することで、見守る家族の負担を軽減することができる。
離れて暮らす親を持つ家族にとって、高齢の親のことを絶えず気にかけていることは、大きな負担になります。
ましてや「トイレにはちゃんと行っているか」とか「トイレで倒れたりしていないか」を知ることは非常に困難であると言えます。
トイレの見守りサービスを利用すれば、家族は見守りに多くの時間を費やすことなく、普段通りの生活を送ることができ、負担軽減に繋がります。
もし異常があっても、適切なタイミングで独居高齢者に電話連絡をしたり、ケアマネに訪問をお願いしたりできるので、見守り活動の効率化を図ることが可能になります。
⑤高齢者本人にストレスを与えることなく、見守りすることができる。
トイレの見守りサービスはセンサーを使用した見守りのため、高齢者本人は特に何も意識せずに日常生活を送ることができます。
「生活を覗き見されている」という感覚も少なく、プライバシー面も配慮がされているので、独居老人と離れた家族が適切な距離を保つことができます。
その結果、一人暮らしの高齢者本人にストレスを与えることなく、「快適な生活を送りやすくなる」という魅力があります。